●犯罪の心理
秋葉原通り魔殺人事件をもとに、通り魔殺人の心理を考えるパート5
「 スピード狂とゲーム、アニメ、ロリコンお宅である。 」
です。
パート4の ●通り魔殺人の心理Part4挫折【吉高由里子の『蛇にピアス』】
「 進学と就職で挫折した。 」
もよろしくお願いします。
2008年6月8日、日曜日の昼頃、過去最悪の被害といえる通り魔殺人事件が東京秋葉原で歩行者天国が行われている最中に起こりました。
被害者17人の内10人が重軽傷で7人が死亡、そのうち3人は、トラックにはねられたことによる全身打撲や頭部骨折による死亡で、4人は、それぞれ体の1カ所をナイフで刺された失血死でした。
屈強ではない、やせておとなしそうに見える一人の男が、なぜそのようなことをしたのかを考えます。
このパート5では、犯人のスピード狂とゲーム、アニメ、ロリコンお宅について取り上げます。
『 スピード狂とゲーム、アニメ、ロリコンお宅である。 』
秋葉原無差別殺人事件の男の素顔は、スピード狂とゲーム、アニメ、ロリコンお宅でした。
職場の同僚は犯人の加藤智大(かとうともひろ)を、典型的なアキバ系ロリコンオタクだったと証言しています。
日ごろは温厚な半面、スピード狂でバーチャル世界にのめり込み、突然キレるなど、犯行につながる側面も見せていました。
父親との確執を漏らしていたこともあり、3月に起きた茨城連続殺傷事件に触発された可能性も浮上しています。
青森県出身の犯人は製造業派遣大手「日研総業」(東京)に昨年11月登録、静岡県内の自動車部品工場に派遣され、裾野市にある単身用アパートに入居していました。
犯人と同僚男性(21)はすぐにうち解けました。
麻雀に飲み会と、毎週のように遊んだようです。
しかし、親交を深めるなか、男性は犯人の特異な趣味に気付いたといいます。
「(犯人の)部屋はモノもなく、殺風景。ただ、同人マンガ誌が数冊置いてあった。カラオケに行ったときに歌うのはロリコン系のアニメソングばかり。『2D(アニメなどの2次元世界)しか興味ない。』と公言していたし、典型的なロリコンオタクでした。」
でも、後輩への面倒見が良かった犯人への信頼が変わることはなく、親交は続きました。
「アキバ好き」を公言していた犯人は男性ら同僚を連れて秋葉原へ繰り出し、メイド喫茶などを案内して、「まあ、こんな感じですよ。」と得意顔だったとのことです。
「ロリコン」とは、「ロリータコンプレックス」の略で、自分にふさわしい年代の女性と正常に付き合う自信がない男性が、自分よりも弱い存在である幼女に対して興味をもつことです。
語源は、ロシアの作家ナポコフの小説『ロリータ』からきます。
自分の性的な能力や魅力への不安から自信を喪失して劣等感をいだき、それが無意識のうちに劣等コンプレックスを形成してしまいます。
ごく普通の容姿の犯人は、自分の顔や性格に劣等感をもっていました。
この理由は、他の記事でも再三記していますが、親が幼少時から犯人に対して「ダメな人間」として怒鳴りつけて厳しくしつけたことにより、未熟な子供時代に自分が本当にダメな人間であると思い込んでしまったことが考えられます。
そして、その傷ついた心のよりどころとして、いつも携帯片手に掲示板「2ちゃんねる」をチェックし、自らのハンドルネームを持ち、頻繁に書き込みを行っていたようです。
2ちゃんねるのゲーム機を議論するスレッドに
5月27日、≪秋葉原で忍者姿の痴漢が刀振り回し大惨事!≫とのタイトルで、
「6/5以降絶対事件起こるだろうから先に立てとくね」と、
今回の犯行予告を思わせる書き込みがありました。
犯人は急にキレることがあったようですが、6月5日は容疑者が激昂して会社を飛び出した日でした。
犯人は友人(22)に対して、茨城・土浦市連続殺傷事件で逮捕された金川真大被告(24)が熱狂的ファンだった美少女同士の対戦ゲームの画像を送信しています。
ゲームを通じて、金川被告の犯行を意識していた可能性が浮かんでいます。
そして、同僚男性は犯人のスピード狂の一面について、
「富士スピードウェイや平塚のサーキット場に連れて行ってもらった。一緒にカートに乗ってタイムを競ったんだけど、とんでもなく速かった。以前はスポーツカーのGTR(ニッサン スカイライン GT−Rのこと)に乗ってたとも言っていた。」
と証言しています。
でも、実際には、中古のスバルのインップレッサと同じく中古のマツダのRX−7だったようです。
マフラーを交換するなどの、かなりお金をかけた改造をしていました。
また、別の同僚(21)には「将来トラック関係の仕事に就きたい」と夢を語ることもあったといいます。
親の愛情に飢えた人は、その愛情を取り戻すために他人の愛情や物を求めます。
犯人は、複数のスポーツカーを乗り換えてその欲求を満たして行ったようです。
友人らが「いつもポーカーフェース」と称する犯人も時折、心に抱えた悩みを垣間見せることがありました。
「昨年の年末、自宅まで送ってもらったとき、ポツリと言ったんです。『親が借金を重ねるから、青森から飛んだ。ろくでもねえオヤジだ…』」
前述の男性と身の上話をしたときには、「事故をして廃車になった車のローンが残っている。でも、自動車会社と納得できないイザコザがあったし、家賃も数カ月滞納していたが、両方踏み倒してきた」とも話しています。
「飛んできたから車も買えない」と愚痴をこぼし、「いなくなるときは何も言わないで飛ぶから」と失踪をほのめかしていました。
良くゲームお宅の人が、犯罪を犯すとまるでゲームのように人を簡単に殺してしまうといわれます。
仮想世界でのゲームには“復活”がありますが、現実では一度死んだら、二度と生き返ることはできません。
「人を殺す」ことは人間として、絶対にやってはいけないこととは誰でも知っています。
でも、生活や精神的に追い込まれた人にとっては、もはや自分のことで精一杯で自己中心的となり相手のことまで思いやることができません。
そのような精神では、“殺人”は実感を伴わない、ゲームと同じ仮想の世界となります。
個人的な悩みから、それを解決するために“誰でもいいから殺したい”という事件が多発しています。
そのような事件に共通して言えることは、事件を起こす人のほとんどが“ひとり”状態であるということです。
誰にも相談できず、ひとりで悩み、ひとりで考え、ひとりで実行します。
親しい友達や仕事の仲間がいても、肝心な心の奥深くにある問題を相談することはないのです。
そして、たったひとりで悩み、実行を計画してしまいます。
本人にとっては、あまりにも“孤独”なのです。
突き詰めれば、この“ひとり”という悲しく寂しい不安な事態が、起こさなくてもいい事件を起こし、紙一重で防げた事件を実現化してしまうようです。
一般に、事件を起こす人は“頭のよい”“高学歴”の人が多い傾向にあります。
秋葉原で事件を起こした犯人も、静岡でレンタカーを借り、秋葉原まで高速道を運転して犯行におよんでいます。
普通であれば、パニック状態にある時は、とても“運転”などできるはずがないと思いますが、事故も起こさないで東京まで運転できたということは、“異常”な冷静さを感じます。
なぜか、このような事件を起こす人々は犯行時点では非常に“冷静”です。
“高学歴”により“明晰”“沈着”なのか、計画するときには頭脳がコンピューター化したかのようにとても計画的です。
推理小説によく出てくる内容ですが、人間はあるときまでは“良心的”でいられます。
でも、“ある一線”を越えたときに「殺意」が起きてきます。
誰でも人を憎むことがあるでしょう。でも、実際に犯行に及ばないのは、自分の「良心」と「友人の意見」のおかげです。
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