●コラム
秋葉原通り魔殺人事件をもとに、通り魔殺人の心理を考えるパート2です。
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さて、秋葉原通り魔殺人事件は、2008年6月8日、日曜日の昼頃、東京の秋葉原で歩行者天国が行われている最中に起こりました。
通り魔事件としては過去30年で最悪の被害となることから、警視庁捜査1課は、目撃者などから事件を聴取して一連の犯行の詳細を調べています。
報道機関が、犯人の加藤智大(かとうともひろ:25歳)が書き込んだ可能性の高い携帯サイトのブログの書き込み内容を公開していましたので、この内容を手がかりに犯人の心を探ってみましょう。
6月4日 0時55分
「 勝ち組はみんな死んでしまえ そしたら日本には、俺しか残らないのか 」
社会全体を憎み、恨んでいる気持ちが表れています。しかし、復讐したあとの孤独に対する恐怖がうかがえます。
6月4日 5時51分
「 親が書いた作文で賞を取り、親が書いた絵で賞をとり、親に無理やり勉強させられてから勉強は完璧。 」
親が、小学校の時から作文や絵画に手を加えて、さらに過干渉の上で猛勉強というしつけがされていたことが分かります。
子供への親の間違った理想像の押しつけと、それを貫こうとした親の神経症のために、小学時代の犯人は、そのしつこい教育に応えることが、愛情を受け止めることだと思い努力を続けています。
犯人は、小学校時代の文集で自らを「短気、強情、鈍感、ドジ」と表現していますが、このような、ひずんだ親の強制的な教育のためにストレスがたまり、心の成長に異常をきたしてしまったようです。
6月4日 5時55分
「 中学では小学校の「貯金」だけでトップを取り続けた ・・・以下略 」
6月4日 5時57分
「 当然、県内トップの進学校に入って、後はずっとビリ 高校出てから8年、負けっぱなしの人生 」
父親は、中学までしか勉強を教えることができず、そのあとは優秀な弟を教えることに力を注ぐようになります。
見捨てられたと思った犯人は、このあたりから人生の敗北を強く感じ始めます。
犯人が望んでいた親から受けるべき本来の愛情に満たされない欲求不満は、さらに深まっていったと思われます。
6月4日 5時58分
「 自分で頑張った奴に勝てるわけがない 」
親からの強制ではなく、本人が主体的に意欲を持って勉強することこそが実力です。
犯人には、それが分かっていました。
小学時代は、将来への目的もないのに、親の愛情を受けたいがばかりに強制的な猛特訓勉強に耐えてきました。
でも、高校生となってしっかりと物事を判断できる歳になって、目的もなく、親の愛情の基盤もない状態で、ひとり勉強を頑張ることはできません。
6月4日 午後5時7分
「 土浦の何人か殺した奴を思い出した 」
今年2008年3月に茨城県土浦市で起きた通り魔殺人事件を模倣(もほう:まねをすること)しようと考えたと思われます。
6月4日 午後8時6分
「 友達が欲しい 」
6月4日 午後8時7分
「 でもできない なんでかな 不細工だから 終了 」
犯人は、「 友達が欲しい 」とありますが、職場の同僚とある程度の付き合いをしています。
犯行のために買った6本のナイフの一部を、ゲーム機などとともに段ボール箱に入れ、職場の同僚にあげていますし、職場の同僚からの証言をこの記事の後ろに掲載しましたのでお読みください。
犯人が欲する「 友達 」とは、恋人のことなのでしょうか。
それとも自分の傷ついた心を理解できる親友だったのでしょうか。
6月5日 午前6時17分
「 作業場に行ったらツナギが無かった 辞めろってか わかったよ 」
昨年11月に製造業派遣大手の日研総業に登録、静岡県内の自動車部品工場に派遣され働いていた犯人は、生産量の縮小によるリストラの恐怖に苦しんでいましたが、作業服のツナギが無かったことで興奮し、その日から会社を休んでいます。
6月5日 午後0時2分
「 ちょっとしたきっかけで犯罪者になったり、犯罪を思いとどまったり やっぱり人って大事だと思う 」
6月5日 午後0時4分
「 人と関わると怨恨で殺すし、孤独だと無差別に殺すし 難しいね。 」
6月5日 午後0時5分
「 誰でもよかった 」なんかわかる気がする
6月5日 午後6日午前1時44分
「 あ、住所不定無職になったのか ますます絶望的だ 」
犯人が、困窮(こんきゅう:貧乏で追いつめられること)した中で絶望し、孤独に苦しみ、それが「 社会 」の責任だと感じ、「 社会 」の象徴である「 不特定多数 」を、殺害しようと真剣に考えていることが分かります。
6月6日 午前2時48分
「 やりたいこと・・殺人 夢・・・ワイドショー独占 」
殺人を考えたときに、心を悪魔に売ってしまったのでしょう。
殺人を犯して、ニュースのワイドショー番組を独占して多くの人から注目されることにより、満たされなかった愛情を取り戻そうとしています。
そのようなことまでもして有名になって、社会の中での自分の存在を確かめたかったのでしょう。
他人がどれだけ苦しもうが、たとえ殺人を犯そうが、自分には関係ない。
それどころか、自分を苦しめた社会全体が悪いのだから、それらを殺して有名になることは当たり前だと思ったのでしょう。
さらに自分がみにくいと思い、劣等感とコンプレックスに打ちひしがれていた犯人は、たとえ殺人を犯しても、マスコミで有名になることが自己の究極の実現となってしまったようです。
6月6日 午前3時
「 別の派遣でどっかの工場に行ったて、半年もすればまたこうなることは明らか 」
6月6日 午前3時9分
「 彼女がいれば仕事をやめることも、携帯依存になることもなかった。 」
6月6日 午前11時14分
「 通販だと遅いから福井まででてきた 」
6月6日 午後1時9分
「 買い物終了 」
6月6日 午後8時49分
「 ナイフを5本買ってきました 」
犯人が、人生をあきらめて再出発をする気力が無いことが分かります。
人生がうまく行かないことを彼女がいないせいにしています。
福井市のミリタリーショップでナイフを買い、犯行を計画しているのが分かります。
この後、犯人は、レンタカーの2トントラックを借りて犯行を行います。
以下「iza!(イザ!)」6月9日 より引用した、職場の同僚の話を掲載します。
【 同僚は加藤智大容疑者(25)を、アキバ系ロリコンオタクだったと証言する。日ごろは温厚な半面、スピード狂でバーチャル世界にのめり込み、突然キレるなど、犯行につながる側面も見せていた。父親との確執を漏らしていたこともあり、3月に起きた茨城連続殺傷事件に触発された可能性も浮上している。
青森県出身の加藤容疑者は製造業派遣大手「日研総業」(東京)に昨年11月登録、静岡県内の自動車部品工場に派遣され、裾野市にある単身用アパートに入居していた。
加藤容疑者と同僚男性(21)はすぐにうち解けた。麻雀に飲み会と、毎週のように遊んだ。親交を深めるなか、男性は容疑者の特異な趣味に気付いたという。
「(加藤容疑者の)部屋はモノもなく、殺風景。ただ、同人マンガ誌が数冊置いてあった。カラオケに行ったときに歌うのはロリコン系のアニメソングばかり。『2D(アニメなど2次元世界)しか興味ない』と公言していたし、典型的なロリコンオタクでした。」
だが、後輩への面倒見が良かった加藤容疑者への信頼が変わることはなく、親交は続いた。「アキバ好き」を公言していた加藤容疑者は男性ら同僚を連れて秋葉原へ繰り出し、メイド喫茶などを案内。「まあ、こんな感じですよ。」と得意顔だったという。
いつも携帯片手に掲示板「2ちゃんねる」をチェック。自らのハンドルネームを持ち、頻繁に書き込みを行っていたようだ。
2ちゃんねるのゲーム機を議論するスレッドに5月27日、≪秋葉原で忍者姿の痴漢が刀振り回し大惨事!≫とのタイトルで、≪6/5以降絶対事件起こるだろうから先に立てとくね≫と、今回の犯行予告を思わせる書き込みがあった。加藤容疑者は急にキレることがあったというが、6月5日は容疑者が激昂して会社を飛び出した日だった。
加藤容疑者は友人(22)に対し、茨城・土浦市連続殺傷事件で逮捕された金川真大被告(24)が熱狂的ファンだった美少女同士の対戦ゲームの画像を送信。ゲームを通じ、金川被告の犯行を意識していた可能性が浮かんでいる。
一方で、同僚男性は加藤容疑者のスピード狂の一面について「富士スピードウェイや平塚のサーキット場に連れて行ってもらった。一緒にカートに乗ってタイムを競ったんだけど、とんでもなく速かった。以前はスポーツカーのGTRに乗ってたとも言っていた。」と証言。別の同僚(21)には「将来トラック関係の仕事に就きたい。」と夢を語ることもあったという。
友人らが「いつもポーカーフェース」と称する加藤容疑者も時折、心に抱えた悩みを垣間見せることがあった。「昨年の年末、自宅まで送ってもらったとき、ポツリと言ったんです。『親が借金を重ねるから、青森から飛んだ。ろくでもねえオヤジだ…。』」
前述の男性と身の上話をしたときには「事故をして廃車になった車のローンが残っている。でも、自動車会社と納得できないイザコザがあったし、家賃も数カ月滞納していたが、両方踏み倒してきた。」と吐露。「飛んできたから車も買えない。」と愚痴をこぼし、「いなくなるときは何も言わないで飛ぶから。」と失踪をほのめかしていた。 】
「iza!(イザ!)」6月9日 より
子供を教育することの難しさと、失敗したときの問題の大きさを思い知らされる事件です。
愛情とは、受ける方の取り方の問題もあります。
幸せかどうかも、本人の受け取り方の問題もあります。
今の自分を受け入れ、そこから夢に向かって一歩一歩確実に生きること、あたりまえのことが実は難しいのかもしれません。
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